食事監修
西麻布「常」
美味しさは「常」のこと。
非日常の「楽しさ」を味わってこそ
六本木通り、西麻布交差点近くの裏通り。コンクリート打ち放しのモダンなビルの2階に「常(とわ)」はある。看板も暖簾もない。
日常から隔絶しひっそりと構えたその店は、まさに大人の隠れ家と呼ぶにふさわしい。
一歩店内へ足を踏み入れれば、そこは上質な和の空間。無垢の木のぬくもりを感じるカウンター席に座ると、客の目の前で店主・常安孝明氏が
料理を振る舞う。
「肉割烹」と評されることもあるが、それだけではない。旬の一番良い食材が料理人の創意工夫で彩られ、客の前へと現れるのだ。
2018年に東京・西麻布にオープンした「常」。以来、多くのエグゼクティブに極上のひとときを
提供している。
ミシュラガイドからも評価される続けるその味は、揺るぎない確かな質で客を飽きさせることがない。
美味しいのは「常(つね)」のこと。そこに「常(とわ)」ならではの「楽しさ」を感じてほしいと
店主は語る。
「常(とわ)」は
「永久(とわ)」に愛される店で
ありたい
岡山県出身の料理人、常安孝明氏のキャリアは日本料理の老舗「菊乃井」でスタートした。
その後厳しい下積み生活を経て、フランスへ渡ることを決心する。
パリの「花輪」でスシバーに留まらない真の和食を提供し、帰国後、日本料理東京百名店のひとつ「かんだ」で更なる修行を積んだ。
そして2018年4月、満を持して西麻布に「常(とわ)」を開店。以来、多くのエグゼクティブにその腕を振るってきた。
料理を始めたのは、料理が好きだったから。実にシンプルである。しかしその料理好きは筋金入りである。
3歳の頃には祖父母の隣で包丁を握っていた。料理人になった今でも、休日は家族のために料理をする。
美味しいものを創作し、極上の空間を提供する。
そういう至高のものをお客様に堪能してもらうには、安定した質を追及し続けることが大切だと常安氏は語る。
そうすることで、この「常」は「永久」に愛される店になるのだ。
料理だけでなく「常」の心意気も継承された
「やま星」の食事
料理の監修にあたり、常安氏はやま星の料理長を「常」に招いた。修行のためである。常安氏の技法や料理方法を伝授するためだけでなく、常安氏の人柄や目指すものを共有するためだ。そこを理解していないと、同じ料理を作っても結果は全く異なるものとなってしまう。
やま星のために考案された料理の数々。それらを乾いたスポンジのように吸収していくやま星の料理長。
それだけではない。料理長としてお客様のためにできることはまだまだあると常安氏は語った。
料理屋には全く必要ないと思われるものでも用意をしておくこと。さりげない心遣いができてこそ、お出しする料理も際立つものなのだ。
国内だけでなく海外での修業も通し培われた常安氏の教えは、しっかりと「やま星」へ受け継がれた。
地元食材をふんだんに使い囲炉裏を囲んで提供する「やま星」の食事。
「常」らしさをしっかりと融合させた料理の数々を心行くまでご堪能ください。